INTRODUCTION
2010年12月、歴史ある建物が消えようとしていた。
46年の歴史を持つ枝川朝鮮学校の校舎である。
在日コリアンの子供が自分たちの言葉を、そして歴史を学び、遊んだ第二の故郷だった。
この古びた校舎には、ここで育っていった子供たちと家族の喜びや悲しみ、怒りと懐かしさが交差する歴史の痕跡と記憶が散りばめられている。
惜しまれながら門を閉じていく中、枝川校舎に刻まれた歴史は自分たちの力で新しい校舎を建てるという想像力へと昇華された。
歴史を詰め込んだこの朝鮮学校校舎の消滅と再生を記憶しようとするアーティストたちが集まってドキュメント、インスタレーション、パフォーマンス、音楽、写真、映画などの芸術表現を行う。
それは個人的な芸術表現にとどまるのではなく、歴史的、社会的問題について一同に会し、芸術表現をもって考え、行動していこうとする挑発であった。
これを「アーティスト・アクション」と呼ぶこととした。
ABOUT
Artist Actionは、2010年12月に東京朝鮮第二初級学校(通称:枝川朝鮮学校)で実施したアートイベントを企画するための団体として発足しました。
1964年に建てられた旧校舎の解体にあたり、当初は旧校舎とのお別れ会として焼肉パーティのみを行う予定だったものを、アートイベントに発展させました。
呼びかけは韓国の映画監督である安海龍さん。
当時の校長先生であった宋賢進さんに取材をした際にイベントの実施を持ちかけ、校長先生の理解もあり企画が進むことになりました。
その後、東京朝鮮中高級学校の美術教師で、在日コリアンのアートコミュニティにもつながりを持つ崔誠圭さんらに協力を呼びかけ、在日コリアンだけでなく日本、韓国、中国らのアーティストが参加するイベントとなりました。
当会の趣旨に賛同する【賛同者】を募り運営するという方法をとり、その中から数名が事務局機能を担当しています。